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6世代の記憶 ファイアロー

先日のサン・ムーンの新情報により、レート対戦における過去作との互換切りが予定されていることが発表されました。新参プレイヤーと6世代以前からのプレイヤーとの格差をなくすことが目的なのかもしれませんが、互換切りによって既存ポケモン種族値や覚える技の調整が行われる可能性もあるかもしれません。そこで、サン・ムーンが発売されてあらゆる新要素が確定情報として認識される前に、6世代環境を振り返るとともに、7世代への展望を描いていきたいと思います。今回はファイアローに焦点を当てていきます。

 

Ⅰ ファイアローを取り巻く環境

 いまさら言うまでもない超強力な特性「はやてのつばさ」によって多くのポケモンたちを先制ブレイブバードで縛り、また先制羽休めと鬼火・挑発といった優秀な補助技によって嵌め性能も高く、6世代を通じて常に高いKPを誇ったファイアローですが、当然のことながら決して万能なポケモンではありませんでした。

ファイアローの役割

 先制ブレイブバードを武器に6世代環境ではバシャーモジャローダ、メガヘラクロスなどの強力な飛行弱点ポケモンに対する駒としてはもちろん、ゲッコウガやゲンガーのような耐久の低い速攻型のポケモンに対する打点としても採用され、終盤の一掃要員としても重宝されました。また、ゴツメ型やHD型なども、クチート軸や低火力の高耐久を崩すのに使われました。

 

ファイアローの天敵

 型も役割も多岐に渡るファイアローですが、元の種族値の低さゆえに殴りあい性能は低く、止まる相手もしっかりと存在し続けていました。例えば、飛行+炎に耐性をもつバンギラスウォッシュロトムヒートロトムヒードランなどはほぼ確実にアローを止めることができます(終盤にはドランを起点にする身代わり剣舞HDアローがいましたが)。また、6世代環境のトップのうちの一体であるボルトロスも、図太いHB型で悪巧みを採用した型が流行し、アローへのクッションとして頻繁に採用されました。また、耐久型のアローは数値の低さゆえに眼鏡サザンドラのような飛行が抜群で入らない並以上の耐久を持った高火力ポケモンにはすぐに崩されてしまい、脆さが見受けられます。

 

Ⅱ ファイアローに調整を入れる必要はあるのか

ファイアローに弱いポケモンもしっかりと使われ続けた現実

 飛行弱点のポケモンに対しては圧倒的な縛り性能を持つファイアローですが、だからといってファイアローに弱いポケモン全てが活躍の場を失われたわけではありませんでした。その代表格がバシャーモです。このポケモンは加速という疾風の翼の性能を強調するかのような特性を持っておりながら、ORAS期においては常にPGLのランキング入りするほど高いKPを誇り続けました。圧倒的な火力と広範囲、バトン展開、さらにはトップメタのガルゲンに強いという多くの長所は、アローに弱いという弱点を補うには十分であると同時に、サンダーやボルトロスといったアローに強いポケモンと組み合わされることで活躍しました。また、バシャーモ以外にも、ジャローダナットレイ、メガヘラクロスキノガッサローブシンウルガモスといったポケモンたちも常に一定数以上存在し続けました。特にキノガッサウルガモスは、終盤では前者はCDG4と呼ばれる並びに、後者はガルクレセ+高火力特殊の一員として上位勢において高いKPを誇りました。

 

・以上を踏まえてファイアローは環境を破壊したのか

 ファイアローの性能が強力なのは疑いようのない事実です。しかし、弱点も多々存在することもまた事実です。ポケモンは基本的に一体で戦うのではなく、パーティ内で各々が補完しあって戦うゲームです。だから、たとえファイアローに弱いポケモンを採用したとしてもアローに強いポケモンを補完として入れれば「アローが流行しているからパーティに採用できない」という事態にはなりません(当然のことですが)。もしそれが違うというのであれば、バシャーモのKPが高いことの証明ができません。つまり、6世代に入って環境から消えたアローに弱いポケモンは、アローのせいで消えたのではなく、単純にポケモンの種類が増え、対策しなければいけなくなった相手が増えたにもかかわらず相変わらずパーティには6体しか入れることができなかったために、対戦環境全体に対しての性能が低かったから採用しにくくなっただけではないでしょうか(性能が低いとは弱いという意味ではなく、環境に刺さってないという意味)。もちろん、苦手な相手が流行していれば選出はしにくくなりますが、環境の中で明確かつ汎用性の高い役割を持っていればパーティに採用できないまでは行かないでしょうし、ましてやアロー一体のせいでそうなることはありえないでしょう。

 

・結論

 ファイアローに調整を入れる必要はない。ファイアローを止めることができかつ汎用性のあるポケモンが多数いる以上、ファイアローに全抜きされるような事態になるのはプレイヤー側の問題。ファイアローに弱いポケモンでも明確な役割と補完となるポケモンがいれば十分活躍できる。よって「アローのせいで○○」は成立しない。採用できない理由があるとしたらもっと複合的で複雑な理由.